中古住宅の購入は、新築よりも価格が抑えられ、希望のエリアに住めるチャンスがあります。しかし、「立地」には住んでから後悔するような見えないリスクが潜んでいます。
今回は、中古住宅の立地選びで特に注意すべき4つのポイントを、プロの目線から解説します。
注意点① 境界のリスク — 隣人トラブルの火種に注意!
中古住宅の売買では、土地の「境界線」が明確でないケースが多く、これが原因で将来的に隣人トラブルに発展することがあります。
✅ チェックすべきこと
- 境界標(きょうかいひょう)の確認 敷地の角や要所に、杭や金属標などの「境界標」がすべて残っているか確認しましょう。これが欠けていると、隣地との間に認識のズレが生じる可能性があります。
- 「境界確認書」の有無 売主が近隣住民と境界について合意したことを証明する「境界確認書」があるか確認してください。これが存在しない場合、購入後に買主が自費で測量と確認を行う必要が出てくる場合があります。
- 越境物の有無 隣の家のカーポートの屋根や、樹木の枝、配管などが、自分の敷地に入り込んでいないか確認しましょう。最近では、植栽の越境なども問題になることが多くなっています。越境物があると、撤去や是正について隣人と話し合いが必要です。
注意点② 朝と夜の違いによるリスク — 騒音・治安・日当たり
現地見学は日中に一度だけ、という方が多いですが、立地の真の姿は時間帯によって大きく変わります。
✅ チェックすべきこと
- 治安と雰囲気
- 夜間は街灯が少なく暗くないか?
- 近くに居酒屋やバーなどがあり、酔っ払いの声が響かないか?
- 夜間の車の通りや、騒音レベルはどうか?(特に幹線道路沿い)
- 進学塾等があるのも意外と注意が必要
- 公園があると平日は静かな環境でも休日になるとにぎやかになるかも
- 朝の交通量と通勤通学
- 朝の通勤・通学時間帯は、周辺道路や最寄りの駅がどれほど混雑するか?
- 通学路に危険な箇所がないか、集団登校の状況はどうか?
- 日当たりの変化
- 特に冬場、隣家の陰になって午前中ずっと日が当たらない、といった状況はないか?
- 夏場の西日(強い日差し)が室内や庭にどう影響するか?
→【対策】 最低でも「平日昼間・夜間」と「休日昼間・夜間」の4回以上、周辺を散策してみましょう。
注意点③ ハザードリスク — 災害に対する備えはできているか?
近年、集中豪雨や地震などの自然災害が増えています。過去の災害歴や、将来のリスクを事前に把握しておくことは、家族の安全を守る上で極めて重要です。
✅ チェックすべきこと
- ハザードマップの確認 購入を検討しているエリアが、自治体の発行する「ハザードマップ」でどのようなリスク(洪水、土砂災害、高潮など)に分類されているかを確認しましょう。最近ではハザードマップでは分からない浸水被害も増えています。
- 液状化の可能性 特に埋立地や造成地、河川周辺の土地は、大地震の際に「液状化」の可能性があるか、地盤情報サービスなどで確認しましょう。
- 地盤の履歴 その土地が、もともと田んぼや湿地、崖だった場所ではないか、過去の地図や行政の資料で確認すると、地盤の強度を推測する手がかりになります。
注意点④ 再建築不可 — 建て替えられないリスク!
中古住宅の立地に関する最大のリスクの一つが「再建築不可」の物件です。これは、今の家を取り壊すと、同じ場所に新しい家を建てることができないという状態を指します。
✅ チェックすべきこと
- 接道義務(せつどうぎむ)の確認 建築基準法では、建物が建つ敷地は「幅4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない」と定められています(接道義務)。
- 「再建築不可」の判定 この接道義務を満たしていない土地(例:私道にしか面していない、道路幅が4m未満)は、今の家が残っている間は住めますが、取り壊して更地にすると、原則として再建築の許可が下りません。
→【対策】 将来建て替えを考えている場合は、必ず不動産会社や建築士に接道状況を確認してもらいましょう。「再建築不可」物件は、その分価格が安いことが多いですが、売却時にも苦労する可能性があるため、慎重な検討が必要です。
まとめ
中古住宅の立地選びは、「価格」「利便性」だけでなく、「リスク」と「将来の資産価値」のバランスを見て判断することが大切です。今回ご紹介した4つの注意点を確認し、後悔のないマイホーム選びをしてくださいね。


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